「誰が為にヒトは読む」

 カ サ タ ナ ハ マ ヤ ラ ワ

mixiアプリの「漢字テスト」をやってます。「漢字の読み」のみだけれど、難易度は情け容赦なく上がり、ついには漢字検定の準一級レベルに達します。大学入試・一般常識のレベルを遙かに超えて、常人には理解しがたい世界。まあでも、せっかくだから少しは勉強してみようと単語のリストを作り、ついでに意味も調べてみました。

なお単語リストは g:twitter:id:ggincTricken)の「漢字テスト対策」を元にしています。

梧桐/アオギリ
青桐とも。アオギリ科の落葉高木。樹皮が緑色なことから青い桐と呼ぶ。桐なので建材なんかに大活躍。
鹸/アク
灰汁とも。植物の灰を水にひたすと浮かんでくる成分。アルカリ性。石鹸のもと。鍋のときに出るアレを集めても石鹸にならんこともない。
薊/アザミ
キク科アザミ属の多年草。刺草ともいうトゲの多い植物。解字は艸+魚(とげとげした骨がある)+刀。とげがあって刀のように手をさす草をあらわす。語源としてはギザギザ→ガザ→アザ+実でアザミだとか。
牽牛花/アサガオ
朝顔の別称。牛蒡(ごぼう)ではなく牽牛(けんぎゅう)の花。七夕の頃に咲くから、らしい。ヒルガオ科の蔓性一年草。種から作る薬は「牽牛」と呼ばれる貴重なもので、贈られた者は「牛を牽(ひ)いて」お礼に行く、らしい。二重の意味で「牽牛花」。種は「牽牛子」です。
八仙花/アジサイ
中国ではこの花を八仙花(中心に花があって、八つの一重のガク片に囲まれてる)とか、綉球花(刺繍を施した絹の布で作った手まり)と呼ぶ。紫陽花は別の花を指すのだけど、日本の誰かが間違って書いて広まったとか。ちなみに色が綺麗なのは萼(がく)の部分です。
甘野老/アマドコロ
山野に普通なユリ科多年草。ヤマイモ科の植物は肥大した根茎が食用になるが、中国ではその曲がった根茎を老人にたとえ野老(やろう)と呼んだ。でもってヤマイモ科の一種に野老(ところ)という植物があり、アマドコロの根茎はトコロに似て、しかし甘みがあるのだと。
水馬/アメンボ(ウ)
カメムシ目アメンボ科。足の長さは馬のよう。水の上をすいすい行く狩人。こいつは水の表面張力(73 *10^-3 N/m)で浮いているため、エタノール(23)の上には浮けない。あと界面活性剤をひと垂らしすると、得意の油足が無効化されて やっぱり沈む。
水黽/アメンボ(ウ)
別名、カワグモ。水面に落下した小昆虫などを捕まえ、消化液を注入して中身を吸います。粘り着く水面を「網」として使う、まさにミズグモ。ナワバリも持ちます。アメンボの読みは飴のような臭いを出すことから(カメムシ目なので)。臭いをなんに使っているかは謎。
鳶尾/イチハツ
一八とも。アヤメ科の多年草。漢字の鳶尾(えんび)は中国語で、花が鳶に、葉が鳶の尾に似ているところから付いたとか。読みは、アヤメやカキツバタの中で一番早く咲く花であることから、一番お初=いちはつ。
公孫樹/イチョウ
種を植えると孫の代にやっと種子を付けるため。鴨脚樹(いちょう)とも書くのは、中国では葉の形が鴨(かも)の足に似ており鴨脚(ヤーチャウ)と呼ばれていたから。「イチョウ」の読みも中国語の音が転じたもの。銀杏(ぎんなん)は、形が杏(あんず)で色が銀色だから。
伊富魚/イトウ
サケ科イトウ属に分類される日本最大の淡水魚。体長は1mを超える。成熟年齢は7,8年。10年以上のものも珍しくなく繁殖率は低い。巨大かつ希少で、釣り人たちの垂涎の的だ。http://bit.ly/nmsqr に詳しいが、語源は不明で伊富魚は当て字のようだ。
漱/ウガイ
がらがらぺっ。口や喉をすすぐこと。夏目漱石の名前の由来、「漱石枕流」は負け惜しみの強いこと。「枕石嗽流」を「漱石枕流」と言い間違った人が、「石に漱(くちすす)ぎ流れに枕す」とは歯磨きと耳洗いのことだと強弁した故事から。
鬱金/ウコン
別名キゾメグサ。ショウガ科の多年草。根っこがターメリックと呼ばれる香辛料・染料になる。カレーには欠かせない「色のスパイス」。鮮やかな橙黄色の色素(クルクミン)は、タクアンやバター、チーズなどにも使われる。本当に効くか知らんけど健胃・強壮の薬効もあるそうな。
紗/ウスギヌ
薄い衣のこと。二本の経糸(たていと)、一本の緯糸(よこいと)から成る、もっとも簡単な「絡み織」。どうして縦が二本も要るのか分かると、織物や織機ってすごい、と呟くことでしょう。
泡沫/ウタカタ
水の上に浮かぶ泡。「沫」は水などの細かい粒や泡を指す。やがて消える儚い存在。うたかたの夢。
憾み/ウラみ
「恨む」は不満に思う、呪わしく思う。「怨む」は仕返しをする、恨みを晴らす。「憾む」は遺憾に思う、残念に思う。機を逸したのが憾まれる、とか。
海鷂魚/エイ
鷂(はいたか)は小型の鷹(たか)で、ゆらゆらと舞うように飛ぶ。ひらひらと体をはためかせ優美に泳ぐこの軟骨魚にハイタカを連想して付けた漢名だろう。和名「エイ」の語源は諸説あるが、ここまで短い名では類推も難しい。なおアカエイは毒針を持つ。不用意に近づかぬこと。
狗母魚/エソ
ハダカイワシ目エソ科。昼間は海底に伏せる・砂底に潜むなどして、夜に泳ぎ出て獲物を探す。獰猛な肉食魚であり、外見は爬虫類を思わせる。英名も lizardfish(トカゲ魚)。しかしまた語源は謎。狗(いぬ)の母の魚:犬みたいに鋭い歯で狩りをするからだろうか。
淵藪/エンソウ
物事の集まる所。淵(ふち)には魚が、藪(やぶ)には鳥獣が集まる。東京ビックサイトは正に淵藪。
豌豆/エンドウ
マメ科の一・二年草。グリーンピースであり、サヤエンドウであり、みつまめの豆でもある。「豌」の字は中国に豆を輸出していた国「大宛」からきたとか(現在の地名ではフェルガナ、ウズベキスタンのあたり)。そしてメンデルなどに愛された、遺伝学の古典的実験材料ですね。
鶯遷/オウセン
鶯(うぐいす)が暗い谷間から高い木に移ること。転じて、試験に合格すること。昇進・転居などした人を祝うことば。喬遷(きょうせん)も同じで、喬(きょう)は高所の意味。
大童/オオワラワ
武士はみな髷(まげ)を結っていたのだけれど、そのままでは兜をかぶれない。頭頂にそびえる髻(もとどり)を解くと、落ち武者の髪型になる。肩まで垂れたその髪型は童(わらべ)に似ており、大童と呼んだ。転じて、なりふり構わずに打ち込む様を言う。締め切り前で大童。
大鋸屑/オガクズ
大鋸(おが)は大きな鋸(のこぎり)のこと。これでギコギコ挽いたときにでる屑(くず)だからオガクズ。木の粉なので良く燃えます。
御強/オコワ
もとは女房詞(にょうぼうことば)で、強飯(こわいい)のこと。つまり蒸して作る堅い飯。反対は、煮て柔らかく作る姫飯(ひめいい)。現在では糯米(もちごめ)を加えて作った飯を言う。赤飯もこの一種。
膃肭臍/オットセイ
当て字なので難しいけれど読める。もとはアイヌ語 onnep+臍(へそ)であり、オスの陰茎(いんけい)から作った精力剤の名であった。正直に言うと売りにくかったのか、原材料は臍(へそ)と称したそうな。薬の名がそのまま本体の名になるのは、よくあるパターン。
大鮃/オヒョウ
大きな鮃(ひらめ)。カレイ目カレイ科に属する海水魚。寿命が長くオスで25年、雌で35年も生きるという。体長はオスが1.5m、メスが2.5m。きわめて貪食。