「光と闇の交差するClosure」

 描き込まれたモノクロームの背景と重厚なBGM。そこで光はより眩しく、闇はより深くなる。小さな灯火を抱えて暗闇へ飛び出した彼らの運命は……。


 この世界の法則「照らされぬ物は存在しない(闇に沈めば地面さえ消える)」


 PCゲーム『Closure』は 寂しく妖しい世界観が魅力的なアクションパズル(puzzle/platformer)。メンバー3人の Eyebrow Interactive が3年かけて作った労作で、インディーズゲームのコンテスト Indie Game Challenge で2012年のグランプリを取ったりしている(賞金10万ドルだそうだ)。

 もとは2009年のブラウザゲームで、それをPlayStation Network用(海外のみ配信)に作り直した。今ではSteamで配信されており、Windows/Mac/Linuxと各プラットフォームで遊べるという訳だ。

 持つ・置く・ジャンプの基本3アクションで仕掛けを解いて、出口の扉を潜ればゴール。「床も壁も照らさねば消える」ということを念頭に置けば、クリア自体はさほど難しくない。工場をゆく男、病院をゆく女、サーカスをゆく少女と、木上から水中までとりどりの世界を存分に楽しめるだろう。

 しかしエンディングを見るには、ステージのあちこちに隠れている光の蛾を見つけ出さねばならない。音を頼りに蛾を探し、通常とは違ったルートでそれを取って扉を潜るのは、ただクリアするよりずっと歯応えのあるパズルになっている。ここの難易度が絶妙でありなかなか楽しめる(クリア後、ステージ毎のコメンタリーを見れて、制作者がよくよく考えて作っているのが分かる)。

 この光の蛾はワールドごとに10匹ずつ計30匹集めるが、ステージの出入りに時間がかかるため後から取って回るのはけっこう面倒臭い。どのステージにいるかくらいはあらかじめ見ておいていいかも知れない(近付くと音がするため、それを頼りに探すのが本道ではある)。ちなみに、私は攻略を見ずにプレイして10時間かかった。

 以下に蛾のいるステージ一覧の画像を置いておく(扉の上にマークが二つあるのが蛾のいるステージ)。

World 1 "Factory"

World 2 "Hospital"

World 3 "Circus"