「触れていて気持ちいいもの」

DSの「ダン←ダム 〜Dungeons & Dam〜」というゲームは、Age of Empier などのRTSに似て戦闘がほぼ全自動。10〜40人の傭兵を雇って装備と任務を与えるだけ。あとは勝手に動いてくれる。

最近やったゲームだと「セブンスドラゴン」がそうだったけれど、RPGの戦闘というのは煮詰まってくると同じ入力を繰り返すだけになる。特に雑魚戦はそうで、多少は効率が悪くてもぜんぶオートでやってくれ、という気になる。

しかし戦闘システムが複雑だったり、AI周辺が作り込まれてないとオートにすると効率が悪すぎたりする。仕方なく手入力するにしても、出現する敵パターンが限られているから最適化した行動を繰り返すだけになる。

ダン←ダム」の場合、ダンジョン探索までオートなのはどうかとも思ったけれど、やってみると作業密度としてちょうどよかった。なにせ複数のパーティを監視して「進め」「休め」「戻れ」「逃げろ」の指示を出すのは(やり方にもよるけど)割とたいへんである。

これらはFlashゲームでよくある「防衛ゲーム」の係累なのだ。PSPの「勇者のくせになまいきだ」も、DSの「風雲!大籠城」もそう。いかに大局を見渡し、戦術と戦略とを考えるところにゲーミングが絞られている。その絞り具合が気持ちいい。

ゲームに限らず、写真だってWEBサービスだって化粧だって*1、要素数をただただ豪華にすればよいというものではない。それをすると重く、鈍く、触れていて疲れやすいものになる。使いたい要素を選んでほかを切り捨てるということができると、スタイリッシュで軽くなり触れていて気持ちよいものになる。

「五月雨を あつめて早し 最上川

*1:ボケをうまいこと使った写真は気持ちいいし、Tumblr とか Twitter なんかのミニマルなWEBサービスは触りやすいし、薄化粧の方がいい……というのは私の趣味か