「マーガレット終わったー!」

ステッパーズ・ストップで半年ぐらい続いていた、読者参加型の対戦ゲームが終わった。あんまり他に似たのが思いつかないけれど、『カイジ』の限定ジャンケンみたいな感じ。紙と鉛筆があれば遊べるところは ゲームブックとかテーブルトークRPGの要素が入ってる。

結局、面と向かってやったのは一回きりだったけれど、そのときはすごく盛り上がった。マーガレットは特にシンプルですぐに遊べていい。最善手はわりと速く見つかるけれど、そこに至るまで二人で試行錯誤するのが楽しかった。「そんなんありかよ!」「あああっ、それ強いずるい」みたいな。それがまあ盤外戦。

本戦の方は74人が集まり、半年間かけて6回戦まで行われた。しかし経過は単純でなく、1回戦ごとにルールが拡張されたり、団体将棋(!)になったり飽きる暇が無かった。どんな手を出すか応募して、結果が出るまでいつもどきどきしていた。工夫を絶やさないゲームマスターのポーンさん。すごい。

私はほぼ運だけで5回戦まで進み、そこでさっくり負けた。でも足りない頭なりに考え尽くしたからか、負けても実に爽やかだった。自分がグーを出して 相手がパーを出したならしょうがない、という感じ。(これでもう頭を悩ませなくて済むぞ! というのもあったけど)

でも後から対戦相手に、私のキャラはほ4回戦ともだいたい趣向が同じで読みやすかった、と言われたおは悔しかった。相手の嫌なことをしようとは思っていたけれど、自分が嫌なことを相手がするとは考えていなかったというか。(そこまで行くと思考量が増えすぎて耐えきれなかったという方が正しいか……)

その後、6回戦を経て優勝者が決まり、ポーンさんの思考ログが公開された。それを読むのがまた楽しかった。ゲームを遊ぶのは楽しいが、ゲームを作るのも楽しいのだ。そしてゲームを遊んでいる人を見るのは楽しいし、ゲームを作っている人を見るのも楽しい。ゲーム作りの内情はなかなか知れないので、思考ログを読めたのはとても嬉しかった。

ログを読んでて思ったこと。たぶん自分の全力を尽くして『解けさえすれば何をやってもいい』のがゲームを遊ぶ楽しみ。子供っぽい。要素を集めて揃えて様々の角度から組み立て直す『解く人のことを考える』のがゲームを作る楽しみ。大人っぽい。私は解いてばっかりだ。ゲームを作る方にも回りたい。

もう一つ思考ログを読んでびっくりしたのが、もともと要素満載のゲアマリリスがあったのを絞り込んで1回戦のマーガレットを作った、という話だ。遊んでいるときには全くそんなことを考えなかった。ただただ整合性を持って増えていく要素に感嘆していた。要素を増やすには技術や知識が要り、要素を減らすには哲学や美学が要る。

思い出すと(つまり改めて思い描くと)ふう、と嘆息してしまうくらいに たくさん考え、たくさん学び、たくさん感じ入った半年だった。コーディネートしてくれたポーンさん、そしていっしょに遊んでくれた人たちに心よりの感謝を。