「ひょう たん ひょう たん たん」


にゅぺっとした丸みや、思わず触りたくなるくびれ。中に液体の入る容器が、そのまま生っている衝撃。

最近はあまり見なくなったとはいえ、ヒョウタン好きな人は多いんじゃないでしょうか。今日はそんな話です。
さて、ヒョウタンはウリの仲間の一年草夏休みの友たるヘチマと同じく、強壮にぐいぐい伸びて実を垂れ下げます(言われてみれば、丈夫なスポンジになるヘチマは通じるものがありますね)。

もとはアフリカ原産の植物だったのが世界中に広がったようで、紀元前10,000年の遺跡から見つかるくらいに、きわめて古くから重宝されていたことが分かっています。軽くて丈夫な容器としての利用価値はそれほど大きい。

なにしろ晩春にぱらぱら種を撒くだけで、秋には便利な入れ物がぶらさがってるんです。ちょっとしたファンタジーですよね。

ところでヒョウタンがあの形のまま生るということは、もともとは中に果肉と種が入っているということです。これをどうやってくりぬくのでしょう? ボトルシップみたいに、あの細い口から取り出す……のは大変そうです。

いいアイデアは思い付きましたか? 答えはこうです。

完熟した実のヘタを切り取って、中身をざくざくほぐす。これを水に一か月ほど漬けておくと、うまいぐあいにとろけて固い皮だけが残る……という寸法。腐りやすいように(菌類を多く含む)土をひとつまみ入れるとか、河に漬けておいてきれいに流すという技もあります。

ところで、ヒョウタンに飲み物を入れておくと、表面の微細な穴から蒸散するため、夏でも中身はひんやりします(気化熱ですね)。ほんと、賢いですよね。

そこの奥さん、学校や職場用におひとつどうですか!